You Made It!

Tom2007-05-17


Carsonのキャンパスに来るのはこれで3回目だ。
はじめの2回は下見のキャンパスツアーで、しかも勝手にきた。
今回は晴れての卒業式。
ぼくはキャンパスに行かずしてMBAの学位をオンライン学習で取得した。


だからこそ卒業式には絶対に参加したかった。
キャンパスでクラスメイトや教授の方々と一緒にその偉業達成の興奮を
分かち合うことで、これまでの苦労が走馬灯のように頭を駆け巡り、
成功を祝い、そしてまた次なるチャレンジの源が沸いてくるような
気がしたからだ。


そしてまた、学歴社会として著名なアメリカ合衆国の大学システムの
学位授与式というものに参列し、その雰囲気を味わってみたかった
という気持ちもあった。
日本のように野暮ったいスーツを着るのでなく、全員がマントを羽織
って帽子を被る。アカデミックな偉業を祝うに相応しい雰囲気がそこ
にはあるとの思いを馳せていた。


学位授与式は、本日はマスターのみで、明日がバチェラーだ。
通学のフルタイム学生とオンラインのパートタイム学生もみんな一緒
に参加する。


式の開始前に、オンライン学生のプレレセプションがあり、MBAだけ
でなく様々なMSやMAのマスターが集まった。
近くからの参加で車で来ている人もいれば、他州から飛行機で来た人
もいたが、ぼくのように飛行機で他国から来たInternational Student
はいなかったらしく、学長からスピーチの際に呼ばれたほどだ。
実際にクラスには諸外国からの参加者も多かったのであるが、式への
参列は任意なのである程度こういう結果は予測していた。なによりも
いろんな人に興味を持たれ会話ができたことが目立とう星人としては
大変嬉しかった。


式はUnited Statesの国歌斉唱から始まり、来賓のスピーチがあったが、
とてもいいことをいっていたのでここにいくつかポイントを記す。
・Listen more and talk less(話す以上に聞きなさい)
・Be a role model(人々の模範となれ)
・You made it!(達成したことを誇りに思え)
特に、この「You made it!」というthree wordsは強調されていて、
会場がどっと沸くほど盛り上がった。みながこの偉業を誇りに思った
瞬間である。


この卒業式の模様を、うちの家族はWebcastを通じて日本から見ていた。
一人ひとり名前を呼ばれるので、それをどうしても見てもらいたかった
のだが、いかんせん人数が多いので、まだかまだかとメールでやりとり
して、とうとうぼくの番が来た。
「タモヒロー ヒグーチー」
ちょっぴり発音が難しかったみたいだか、確かに呼ばれた。
みなが見ている壇上で。そしてぼくは大きく手を振った。


ぼくはオンラインでMBAを取得し、家族はWebcastで学位授与式の模様を
見た。技術の進歩に正に感謝である。


そしてもう一つ、2年間ぼくの頑張りを支え続けてくれたCocoには最敬礼
にて感謝の意を表したい。学校の勉強を理由にいろいろ押し付けたり、
忙しさに苛立ったこともあったのに、いやな顔を(あまり)せずに支え
続け、なおかつ卒業式にもいかせてくれたことに感謝である。


仕事仲間にももちろん感謝である。どうしても自分の時間を作らないと
こうした偉業は達成できないので、時に自分勝手に区切りをつけて仕事
を切り上げていたこともあるかと思う。この場を借りてお詫びしたい。


小学校時代からの夢であった大学院へ行き、修士号を取得した。
年齢にして34歳。
「やればできる」自分の勇気の源はとうとうその夢をかなえるほど
勝利の方程式として揺るぎのないものとなった。


夢の終わりには何があるんだろう。きっと続きはあるということを今日
ぼくは卒業式で改めて思った。様々な年齢、異なる肌の色、男そして女
こうしたUnited Statesの人種のるつぼの中で唯一権威を持って公正に
人のポテンシャルが量られるのが学歴である。
人間いくつになっても「一生勉強、一生青春」といきたいものだ。
きっとそれが自分の人生であり、生きている証である。


I Made It!