海外で活躍する日本人

サンフランシスコのジャパンセンターには紀伊国屋書店があり、東京の駅ビルにある本屋と同程度の品揃えがあり、新刊書、雑誌を含めたありとあらゆる本を手にとることができる。サンノゼにも同じ店があり、月に一度は足を運ぶ。今日は、たまたまワイフが美容院に行くためサンフランシスコのジャパンセンターまで来たので、暇つぶしに紀伊国屋書店にぶらりと入ったのである。

いつものように、新刊ビジネス書のコーナーをまずみて気になる本をパラパラをめくる。週末起業家コンサルタントの藤井孝一氏のビジネス選書のメルマガをとっているため、「既に内容を知っている」はじめてみる本がそこにはずらりと並んでいた。
http://www.kfujii.com/tcy01.htm

今度は小説のコーナーに立ち寄る。再来週の試験が終わったら、貫井徳朗の推理小説を思う存分読んでみたい。最近すっかり貫井ワールドにはまっているのだが、のめりこみ過ぎるため、いまは控えている。

サンノゼ紀伊国屋だとこの二つのコーナーをみて終わりだ。大体いつも一時間は立ち読みしている。サンフランシスコの紀伊国屋には英書のコーナーが多いことに気がついた。一瞬、戦慄が走った。そこに、「MISHIMA」を発見したからだ。

日本通のアメリカ人に聞くと三島由紀夫はとても人気あるらしい。それと村上春樹もだ。その他にJapan Literatureのコーナーに名を連ねていたのは、夏目漱石川端康成司馬遼太郎、吉本バナナといったところであった。そうか、翻訳されてるんだ。。。というのが率直な印象である。日本の書店で目にするものの20-30%は洋書の翻訳本ではなかろうか。とくに、ビジネス書は調べたところによると約40%は洋書の翻訳本である。ところが、BORDERS(アメリカの有名な書店)でMISHIMAが置いてあるのをみたことがない。

翻訳者が少ないのだろうか、それとも翻訳にかかる権利関係が面倒くさいのか、はたまたそもそも著者には海外が視野にはいっていないのだろうか。

楽曲の言語の壁は確かに難しいと思う。松田聖子は海外進出失敗したけど、宇多田ヒカルは成功するだろう。単純に言語能力の問題である。しかし、本は翻訳さえクリアすれば内容は伝わる。もちろん、日本語特有の言い回しを外国語でうまく表現することは難しいと思うが、ぼくらが洋書の翻訳本を読んでいる程度には理解できるはずだ。そもそも洋書を読んでいて面白いと思うのは、むしろその文化的な背景、民族の考え方だと思っている。「金持ち父さん」の投資が401kの本拠地のアメリカではごく当たり前に受けいれられるが、超低金利&それでも貯蓄(投資ではない)大好きの日本にはしっくりこないのはその例である。それでも不労所得を得ろというコンセプトがボトムラインであることは伝わってくる。

この冬、アメリカでは日本ブームが巻き起こる。3本のハリウッド映画が日本を題材にしている。

依然として、日本人のステレオタイプが映画においても表現されるらしいが、3本も日本にちなんだ映画がでれば、日本を注目するきっかけとなろう。映画の予告編のスライドに「MISHIMA」の宣伝でも入れたら、日本文学がアメリカに広まるいいきっかけとなると思うのはぼくだけだろうか。

イチローも松井もメジャーで活躍し、のち宇多田も間違いなく全米で活躍するであろう。真の意味で鎖国から開放される気がする。井を飛び出した蛙が日本を活性化させる起爆剤となることを期待してやまない。