米下院、チーズバーガー法案を可決 業界に肥満訴訟禁止

●ニュースヘッドライン

ファーストフードのハンバーガーの食べ過ぎで肥満になったとの訴訟が近年相次いだが、「自己責任による健康被害の救済を法廷に持ち込むのはお門違い」として訴訟禁止法案を作成。このたび下院にて可決された。(朝日新聞3月12日)
http://www.asahi.com/international/update/0312/010.html?2004


●Tomのもの申す

ところ変われば発想も変わる。肥満になったのは誰のせい?果たしてハンバーガーショップのせいといえるのだろうか?責任転嫁も甚だしい。しかしながらそれでも裁判に勝ってしまう例があるのだからアメリカの法廷はまさにショービジネスといえよう。正義が勝つのではなく、陪審員の心を動かすテクニックを持った弁護士が勝つ世界だ。優秀な弁護士にかかれば黒も白になる。

アメリカにおいて弁護士は立派なビジネスだ。いやどこの国においてもビジネスであることに間違いないのだが、ぼくが言いたいのは営利目的のビジネスだということ。したがってトレンドがある。離婚訴訟、タバコ訴訟、そしていまが肥満訴訟。これらのトレンドに群がる弁護士、そして被害(妄想)者。

一方、ハンバーガー業界は政府に圧力をかけて下院の禁止法案を通した。これも一種のパワーゲームであり、これに対する批判も巻き起こっている次第だ。

陪審員の判断で決まるはずの裁判が、法案の可決によって土俵にすらあげることを禁止するという発想はいかにもアメリカらしい。ゲームに勝つにはルールを変える。これはいままでアメリカがオリンピックなどのスポーツの舞台でみせてきた姿である。

いいか悪いかは別として、これはお国柄である。

日本では陪審員制度に似た裁判員制度が2009年を目処にスタートすることが閣議決定された。似ているといったが日本の採択する裁判官制度はアメリカやイギリスの陪審員制度とは異なる点がある。

裁判員制度:国民から選ばれた裁判員が裁判官と一緒に被告の有罪・無罪や量刑を決める
陪審員制度:国民から選ばれた陪審員が有罪・無罪を決め、裁判官が量刑を決める

さらに、日本の場合は殺人など重大な事件に限って裁判員制度を適用するため、アメリカほどショービジネスにならない要素を初めからもちあわせている。

さて日本では裁判員制度どんな展開をみせてくれるのか。少なくとも開かれたことで納得性の高まることを期待してやまない。