イサム・ノグチ庭園美術館

Tom2006-04-01


JAFメイト3月号の写真を見てすぐに見に行こうという衝動に駆られ、往復はがきで見学の申し込みを出したのが10日前。いま「Energy Void」という黒い石枠の圧倒的な大きさとその光り輝く鏡面にぼくは圧倒されている。

イサム・ノグチは彫刻家という枠にとらわれず、舞台美術、ランドスケープ、インテリアデザイン、陶磁などマルチな才能を発揮した偉大な芸術家である。写真の「あかり」のデザイナーといったらご存知の方は多いのではなかろうか。

残念ながら写真撮影が禁止されており、写真を載せることはできないが、興味のある方は以下の公式HPをご覧いただきたい。
http://www.isamunoguchi.or.jp/gamen/museum.htm


その偉大なる芸術家が晩年に居を構えたのが、香川県高松市牟礼である。ではいったいなぜ?経済地理学を専攻したぼくにとってそのなぞ解きは胸の高鳴りを沈める手段であり、高速飛ばして4時間(妻に運転を代わってもらいながら)、わざわざこどもを託児所に預けてまでもその地にいってこの目で確かめてみたかった。そのにいったい何があるのか。

志度ICの出口を降りるとまず目にしたのは四国八十六番志度寺、八十五番の八栗寺の標識である。この辺は四国ゆえに霊場に囲まれている土地であると。次に目にしたのは奇妙な形をした五剣山。切り立った崖はショベルカーによって削られ、石を採掘しているようだ。そして美術館に近づくにつれ目にする光景は石屋、石屋、石屋のオンパレード。牟礼、そうここは良質の花崗岩である庵治石の産地なのである。

美術館の人の説明によると、イサム・ノグチは以下の三つの理由によってこの地に居を構えたそうだ。
一、神聖な霊場のある山に囲まれた地
一、好みの硬い庵治石の産地
一、腕のたつ石の職人たち

自分の考察はそう的はずれのものではなかった。