サンノゼ州立大学 SHRM

Society of Human Resources Management (SHRM) という世界的に著名なヒューマンリソースの団体がある。そのミッションは、ヒューマンリソースを生業とするものにベストプラクティス、最新の動向、統計データなどの情報提供/交換することであり、またプロフェッショナル養成のための、資格認定を行うことである。
http://www.shrm.org

HRシニアサーティフィケートを取得する目的でサンノゼ州立大に通っているが、この資格取得コースも任意選択科目のうちのひとつだ。UCLAでHRサーティフィケートをとったときにも、クラスメートの多くが、終了後にSHRMの資格(Professional Human Resources:PHR)を取得するという話をしていた。SHRMは日本では無名であるが、現在175,000人の会員(うち資格取得者は70,000人)を擁し、 団体で、世界100ヶ国にメンバーがいる。日本には支部も試験センターもないので、アメリカにいる機会に、グローバルHRの知識集大成として資格取得にチャレンジすることに決めた。

資格取得は独学でやるのがぼくのポリシーであるが、今回ばかりは英語のハンデ、それ以上にアメリカでのヒューマンリソースの慣習の違い(例えば、法律、社会保険制度、判例、ビジネスプロセスなど)があり、アメリカ人と一緒に学校に通って資格取得を目指すことにした。実際に、アメリカで人事の仕事をしていて、アメリカの人事の仕組みが分からないと結構苦労する。UCLAでやったことを時折思い出しながら、業務をしているが、集中的に勉強して一気にキャッチアップしたい。

PHRの資格は、うちの会社の人事でも数人既に取得している。

コースは全12回。インストラクターは、NOKIAに勤める現役のヒューマンリソースプロフェッショナル。積み重ねると20センチほどになるテキストとCD-ROMを渡され、コースが始まった。試験対策のコースなので、いままで参加したSJSUのコースとは全く異なる。予備校形式の詰め込み型授業だ。この形式には慣れている。クラスメートで以前資格を取得していたが、失効したため再受験する人がおり、結構ハードだといっていたので、気を引き締めて3ヶ月取り組んでいくぞ。

参考までに、PHRの試験科目は以下の項目である。
PHR SPHR
Strategic Management 12% 26%
Workforce Planning and Employment 26% 16%
Human Resource Development        15% 13%
Compensation and Benefits         20% 16%
Employee and Labor Relations       21% 24%
Occupational Health, Safety and Security 6% 5%

試験には2種類あり、戦略を立てる人向けのSPHRと、戦略を実行する人向けのPHRがある。ぼくは、SPHRの試験を受ける。

試験の内容は、日本の社会保険労務士試験とは全く異なる。社労士は、法律の知識とその理解度を問う試験で、PHRは実践でのベストな策を選べる能力を問う試験である。合格率は社労士の7%に対し、PHRは50%以上ともいわれる。限られた人にライセンスを与え独占市場を形成する日本と、あまねく人に機会を開き、自由競争市場を形成するアメリカとの違いがこんなところにも表れている。