Point Rayes

Tom2003-10-26


サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡り、ハイウェイ1を1時間ほど車を走らせたところに、Point Rayesという州立公園がある。そこは自然の宝庫で、野生の鹿、ゾウアザラシに会え、冬から春にかけては、鯨を肉眼で見ることができるスポットだ。

今回は、鹿の群れをみることができた。鹿ってとろそうにみえるけど結構早い。ぼくが走るよりも全然早い。近づきすぎると襲ってくることもあるらしいので、少し離れたところから望遠レンズで撮影した。

野生の鹿のいるゾーンは岬の先端部分なのだが、網で囲いがされていた。その中には450等もの野生の鹿が生存している。周りを網と海に囲まれているため保護されているそうだが、はるか昔は囲いなどなく自由奔放に歩き回っていたのが、ゴールドラッシュの時代に、食料として乱獲され、次第に数が少なくなり、保護という名目で岬の先端のちっぽけな土地に押し込まれている事実を思うと、人間様のしていることがいかに傲慢であるか考えさせられてしまうのである。

確かに、いまその保護区域を脱すると危険がいっぱいだ。道路には車が走っているし、野生の食料もそう多くはない。都市には鹿が暮らせる環境はないのである。帰りに網を越えたところで子鹿をみかけた。傷ついておりふらふらしていた。きっと群れからはぐれてしまってさまよい歩いているのだろうが、いまの鹿には安全地帯で暮らす方が幸せなのだとおもった。

人間の開発のせいで危険地帯に暮らす人間も出てきた。サンタクララカウンティーのレポートによると、シリコンバレーの土地と水は半導体の廃棄物で汚れきっているらしい。それでも新しいアパートの建築が後を絶えない。自然を追いやり、自分達を追いやり、いったい人間はどこへ向かっていこうとしているのだろうか。

都市部をちょっと離れるだけで雄大な自然と触れ合えるのが魅力のカリフォルニアだが、そのよさをいつまでも残していって欲しいものである。