マザーズデー

四人のマザーについてそれぞれこの日を語る。

●お母さん

ぼくの母さんは東京にいる。母さんだけでなくぼく以外の家族はみんな東京にいる。
孫が生まれてまだ顔見せもしてない親不孝もんであるが、再来週から日本に一時帰国する。母もこれを非常に楽しみにしている。
孫の顔見せが最大のプレゼントだが、母の日に間に合わないので、フリーズドライの花を贈った。なんでも特殊加工で5年くらい持つらしい。
ぼくにも子供が生まれて母の偉大さがわかるようになった。改めて母に感謝、大感謝。


●お義母さん

ワイフの母さんは宇都宮にいる。ぼくの母さんとおなじフリーズドドライの花を贈った。
お義母さんはアメリカに来て出産に立ち会ったので、すでに孫の顔は見ている。
3ヶ月経ってすっかり成長した孫に対面したらなんていうだろうか。きっと子供の成長の早さに驚くに違いない。


●ワイフ=みっくのマザー

みっくが生まれてはじめてのマザーズデー(母の日)。ワイフはあくまでもワイフであってぼくのマザーではないのだが、いまだ「あぅー」しかいえない息子の代わってぼくから祝うことにした。アメリカでの盛り上がりようは日本のそれ以上だ。町中のスーパーやレストランはマザーズデー関連グッツでごった返している。

マザーズデーといえば花束だ。ファーマーズマーケットで適当に見繕った花束を買ってプレゼントした。花はなんでもない日常に変化を与えてくれる。買ってプレゼントをするという行為自体も変化だし、それをもらうもの変化だ。部屋に飾って置くのも変化だし、水をやるのも、つぼみから花が咲くのも変化だ。当然、最後には枯れて花は散ってしまう。花が好かれるのはきっとそんな変化を求めているからだとおもう。その証拠に、化粧をして化けるのが上手い女性ほど花が好きだという統計があるとかないとか。


●シアトルのホストマザー

花の話がずいぶんと長くなったが、この母の日に変化が訪れた。15年前にシアトルでホームステイしていたホストマザーに電話をかけた。ハッピーマザーズデーと称して電話をしたのだが、実は話すのは15年ぶりだ。

最初の3年ほどはたまに文通していたがそれもやがて途絶えた。それでも毎年欠かさずクリスマスカードを交換していたら。7年ほど前からemailで近況を伝えるようになった。

あれから15年。ママの声は当時のままだ。当時50歳くらいだったろうからいまは65歳。先々週まで半年ほど夫と二人でアリゾナ、テキサスをキャンピングカーで転々としていてシアトルに帰ってきたばかりだ。

アメリカにいる間に是非再会をしたい。あのときのアメリカホームステイがぼくの仕事の原点だから。