お葬式

ワイフの祖母が亡くなったという悲報を受けたのは、日本に帰国した日の夜のことだった。祖母にはひ孫の顔見せという一大イベントが待ち構えていたわけだが、1週間遅かった。

3ヶ月になる子供を東京の実家に預け、ワイフと二人で新幹線で宇都宮へ。あっという間の50分で到着。

祖母はきれいな死に顔をしていた。お肌なんかつるつるでしわがほとんどない。いまにでも目を開けそうな表情をしている。その祖母が葬儀から3時間後には遺骨となってしまった。遺骨を見るのは二十数年ぶりの出来事である。

通信手段が発達したお陰で、日本と外国との距離を感じることは少なくなったとはいえ、このような葬儀は予定してあるものではなく突如としてやってくる故、生前の最後に間に合わなかったり、最悪葬儀に参加できないこともあるだろう。そんなとき距離的な差を圧倒的に感じてしまう。

そのようなことが起こってくれないことを祈りつつ、万が一の際にはやっぱり駆けつけたい。それがその人に対してあらわす最後の気持ちだから。