若者に増える無精髭の是非

今日は軽めに社会的な現象についてコメントを書く。

今朝、フジテレビ系のニュースで、髭をはやす若者が最近増えているということで特集が報じられた。かつて髭は営業マンにはタブーとされていたが、最近では髭も「個性の一部」として認められるようになってきているということが報道のボトムラインだ。

この特集を見て真っ先に会社同期のN君のことを思い出さずにはいられなかった。N君は新入社員の当時、学生のときからはやしていた髭に誇りを持っており、トレードマークとして会社でも続けたいと考えていた。ところが、ある日営業実習で先輩営業マンについて同行する際に、無念にも髭を剃らされた。理由は、「お客様のうちで一人でも髭に対して不快な印象を持つ人がいたらそれだけで機会損失だ」ということだった。なるほど一理ある。今剃らなければ自宅待機だと脅迫じみたことを大勢の前でいわれ、N君は髭を剃ることに同意した。血が滲む顎と口元の惨めさ以上に、N君の悔しそうな表情がとても印象的であった。

後で聞いた話だが、N君はその同行した先輩営業マンに個別にこういわれたそうだ。「新入社員で実績もないうちからそんなことやっちゃいかん。だからお前が成長して実績をつけたときに髭をはやしたかったらはやせ」。

それから4年ほど経って、N君は再び髭をはやした。5本の指に入る売上を引っさげて。

N君が再び髭をはやしてからかれこれ5年ほどの時が経つ。ニュースでもそんなことが特集される世の中になった。仕事ができれば外観は問わないという成果主義の方向に社会全体が向いていることの証である。これは歓迎すべき事柄である。

髭をはやしている営業マンをみたら「できるやつ」だと思ったほうがいい。もちろん、それにあやかってえせできるやつがでてくるかもしれないが、それくらいの選球眼は自分で身につけて欲しいものだ。